偶然であり、必然。
本来なら別のお客さまが召し上がるはずだったランプ。
理由あってわが家へ。
 
まるで私に食べられるために、会いに来てくれたみたい。



皿の上で艶かしく光り、つややかに誘ってくる。


艶かしく私を誘惑する肉
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口に含んでからの香り、溢れ出る旨味のジュース、たまらない。
 

焼き上がった時の香りは奥ゆかしい気がしたのに・・・。
食べると口いっぱいに芳醇な香りと旨みの粒子が爆発する大胆さ。

そして、飲み下した後の余韻が一段と長い。
花火大会が続いているかのように…ずっとずっと波が押し寄せ、力強い余韻が残る。
ここ数年のランプでは間違いなく一番の衝撃。

 
これまで食べてきた中で最高の肉かもしれない。


久しぶりの純但馬とはいえ、ここまでのものはなかった。


いつもは柚子胡椒を添えるのに、 合わせたいとも思わない。


ワインを引き上げる肉は初めての経験。


94年のボルドーと・・・
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なぜだろう。
この子の登記書を見てみる。


ぼたんの孫娘でした。丸富土井-福広土井-菊俊土井

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あ。
思わず声がでた。


 
この子、「ぼたん」(母牛)の孫娘だった。
繁殖者は兵庫県豊岡市の新田義孝さん。

 
「ぼたん」にはご縁がある。
それは4年以上も前。
但馬家畜市場へ取材したときのこと。


 
「ぼたん」の娘が200万円以上の高値で落札されていたっけ。
懐かしく思い出した。


2011年11月但馬家畜市場。
新田義孝さんとぼたんの娘(福芳土井、2代祖菊俊土井、3代祖鶴丸土井)。212万1千円にて落札。
懐かしい写真がでてきた

落札された雌子牛と新田氏


 

















 

 
7日経った今も目を閉じれば蘇る強烈な余韻。
芳しい記憶にうっとり。
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陶酔境にひたった日の肉のこと。